足元とスーツを合わせる靴の選び方3選



足元とスーツを合わせる靴の選び方3選

パリッとしたオーダースーツを着用していても、の選択ですべてが台無しになっている方も少なくありません。せっかく自分に合わせたスーツを作ったのならば、靴にだってこだわりたいところですよね。

昔から「オシャレは足元から」 と言うように、センスは靴に反映されます。

スーツと靴が絶妙にマッチしていたなら、男性のファッションでこれ以上のものはありません。

オシャレにスーツを着こなすためにも正しい靴選びが必要です。

 

【ポイント1】「内羽根」か「外羽根」かどうか

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靴を選ぶ時の大前提は「どういったシーンで履くのか」 です。

今回はスーツに合わせる靴ですので、基本的にはビジネスシーンやフォーマルシーンということになると思います。

 

靴には内羽根と外羽根という区分があるのを知っていますか?

靴ひもを通す穴がついている部分を「羽根」と呼ぶのですが、羽根の部分が甲と繋がって一体化しているものを内羽根式、甲の上に羽根が乗っているものを外羽根式と分類されています。

 

外羽根式は1810年に生まれた靴のスタイルです。プロイセンの陸軍元帥ブリュッヘルが考案したもので、海外ではブリュッヘルの名前をもじって「ブラッチャー」とも呼ばれています。

カジュアルシーンならば外羽根の靴をオススメです。私服ともナチュラルに合わせることができますし、開口部が大きくて着脱も比較的ラクにできます。

内羽根と比べて動きやすくもあるので、外回りをする営業の方などにはうってつけだと言えるでしょう。

内羽根式は19世紀のイギリスで生まれたスタイルです。ヴィクトリア女王の夫であるアルバート公が、スコットランドのバルモラル城でデザインしたことから、海外では「バルモラル」とも呼ばれています。

羽根部分があまり開かず、締め付けを上手に調整するのが難しいのですが、外羽根よりもフォーマルな印象を与えてくれます。

優雅でかつ真面目な雰囲気ですので、大切な会議・パーティ・冠婚葬祭などには最適です。

 

 

【ポイント2】「色」で選ぶ

スーツも色によって与える印象が違いますよね? 靴も同じなので、色も慎重に選んでください。

基本的に黒かブラウンがスーツに合います。

ブラウンはケアの仕方によって色味が変化するため、「靴を育てる楽しさ」を感じることができるでしょう。

一方の黒はフォーマルさが売りで、靴の基本となる色です。

ブラウンの靴はスーツの色を選びますし、ケア次第で与える印象が大きく変わるので、靴の知識が少なく、上手に合わせる自信がないという方は黒を選ぶのが無難でしょう。

 

スーツと靴のコントラストにも注目してください。

ダークな色味のスーツにトーンが明るい靴を履くとちぐはぐになってしまい、アンバランスで足元が浮いてしまいます。逆に、明るいグレーなどのスーツに黒の靴を合わせるのもバランスが悪くなってしまうので控えてください。

 

靴とベルトの色の統一も行いましょう。

「足元と腰回りだし、気にしなくていいんじゃない?」 と思われるかもしれませんが、靴とベルトが合っていないと全体がだらしない印象になってしまいます。

この2つの色を合わせることはスーツを着る上で必須条件でしょう。出来るならば、鞄などの小物類の色も合わせてみましょう。完璧なコーディネートに近づけるはずです。

 

 

【ポイント3】「素材」で選ぶ

靴の素材もシーンによって使い分けましょう。

ビジネスシーンはカーフ・キップなどの牛革や、コードヴァン(馬のお尻の革)がマッチします。

カーフレザー(生後6か月までの仔牛の革)はなめらかで柔らかく、キップ(生後6か月から2年位までの牛革)はカーフに比べて強度・厚みがあります。

コードヴァンは高級かつ扱いの難しい革ですが、その魅力的な革質からファンもたくさんいます。

 

カジュアルなシーンにはスウェードも良いでしょう。

お仕事の際に着用しても問題はないのですが、私服に合わせることで魅力をさらにアップさせます。

比較的雨にも強い素材で、多少の雨ならはじくことができます。手入れも簡単で、靴についての知識に不安がある方はスウェードの靴を選びましょう。

 

 

【ポイント4】「ブローグ」で選ぶ

靴に空けられた穴飾りを「ブローグ」と呼びます。

もともとは16~17世紀のアイルランドやスコットランドで農民が履いていた作業靴だったようです。空けられた穴も、本来は「濡れてしまった靴がすぐに乾くように空けられた通気孔」で、デザイン性よりも機能性を重視した結果生まれた靴だと言えるでしょう。

その後、19世紀末にスポーツシューズとしてブローグが流行し、装飾としての役割を持つようになりました。

 

この穴飾りは部位によってその名称が異なります。

自分のイメージした靴を探す際にも役立つので、部位の名称を覚えておくことは大切です。

 

ブローグの部位の名称

1.メダリオン

トゥ・キャップ(つま先)に穴飾りを装飾したものをメダリオンと呼びます。ブランドによってデザインが大きく異なり、特色が出やすい部分だと言えるでしょう。

 

2.パーフォレーション

アッパー(甲の部分)に空ける穴飾りです。目に着きやすく、パーフォレーションの有無だけでグッと違って見えることでしょう。

大きめの穴と小さめの穴を組み合わせた「親子穴」であることが多いです。

 

3.ウィングチップ

つま先の革の切り替え部分にはチップと呼ばれる革片が使われるのですが、この部分に穴飾りやステッチワークを用いて、鳥の翼のような形を作り上げている靴をウィングチップと呼びます。

 

4.パンチドキャップトゥ

ウィングチップと同様にチップのデザインの1つで、ストレートチップに親子穴の装飾を施したものを指します。

 

ブローグ靴の名称

次にブローグ靴の名称をご紹介します。

ブローグ靴は主に以下の3種類に分けられるのですが、スーツスタイルに大きな影響を与えるのでしっかり確認しておきましょう。

 

1.フルブローグ

ウィングチップとメダリオン、パーフォレーションが施された靴のことをフルブローグと呼びます。ふんだんに装飾がなされているため、フォーマルシーンでの利用は控えたほうが良いでしょう。

ビジネスシーンやプライベートなどのカジュアルシーンで活躍します。

 

2.セミブローグ

パンチドキャップトゥ(ストレートチップ)とメダリオン、パーフォレーションで装飾された靴のことを指します。フルブローグよりもシンプルなデザインであることが特徴です。

フルブローグのカントリー感が苦手な方はぜひお試しください。

 

3.クォーターブローグ

パンチドキャップトゥ(ストレートチップ)とパーフォレーションで装飾された靴です。

セミブローグからメダリオンを抜いたもので、ストレートチップだとシンプルすぎると感じる方にオススメです。

 

 

ブローグ靴は履きこなせばワンランク上のおしゃれに!

基本的にブローグが施された靴は、そうでない靴よりもカジュアル寄りになります。

フルブローグが最もカジュアル寄りで、クォーターブローグがフォーマルに近いと考えられるのですが、冠婚葬祭などでは控えておくのが無難です。

 

ただ、現代ではビジネス用にブローグ靴を履くのは全く問題がありません。上手に履きこなせばワンランク上のオシャレを演出できるのではないでしょうか。

 

スーツ単体・靴単体でも奥が深いのですが、その2つが合わさることでさらに難しく、そして面白くなります。

社会人になるとスーツを着用する機会が多くなると思うので、スーツと靴の知識を身に着けて、スーツスタイルでのオシャレを楽しみましょう!

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