良質なオーダースーツを求めて訪れたい東京の生地街
日本には様々な問屋街というものがあります。
問屋街というのは問屋が集中して形成された街のことで、たとえばオーダースーツを仕立てあげるテーラーなどは生地街に多く店を構えています。
有名な東京秋葉原の電気街も問屋街と言えます。
ちなみに東京都台東区には問屋街が多く、秋葉原の電気街以外にも、上野アメ横、かっぱ橋(調理器具)、浅草(靴)、浅草橋問屋街(生地)などがあります。
そんな問屋街の中でもオーダースーツを作る際には是非足を運んで欲しい東京の生地街を紹介します。
日暮里
東京都荒川区日暮里には、日暮里繊維街という生地街があります。
協同組合のホームページによれば現在の加盟店は65と多く、生地や布など縫製に欠かせないアイテムを豊富に販売しているお店などもあり、オーダースーツを取り扱う店もモチロン存在しています。
歴史は大正時代にまで遡り、当時浅草などで営業していた古繊維、栽落業者(裁断)が日暮里に移動してから、徐々に繊維業者が集まるようになったそうです。
正式名称を東京日暮里繊維卸協同組合という組合の前身となる、東京フェンツ商業協同組合が出来たのは昭和23年のことです。
現在の場所に落ち着くようになったのは、この頃のことです。
浅草橋
東京都台東区の神田川にかかる浅草橋から春日通交差点までの、1kmを超える通りにあるのが浅草橋問屋街です。
オーダースーツの仕立て上げを行っているテーラーも多く、また、ビーズや装飾小物の問屋も多く種類が豊富です。
現在では人形問屋としても有名ですね。他にも包装材、店舗装飾、文房具などの問屋もあります。
浅草橋の歴史は古く、東京となる以前の江戸後期の頃から問屋街は続いています。
当時の浅草橋は奥州街道へと通じる場所に浅草見附という見張所があり、非常に往来の多い場所だったため栄えていったそうです。
岩本町・東神田
東京都千代田区の岩本町・東神田には老舗の衣料品問屋が多く集まっています。
現在でも紳士服・婦人服・子供服などが売りだされる岩本町・東神田ファミリーバザールというものが開催されており、 今年はその第68回と第69回が行われる長く続くイベントとなっています。
既製服がメインではありますが、オーダースーツを扱うテーラーも多いです。
こちらも歴史は江戸時代にまで遡り、神田川に柳原土手という人口の堤防が積み上げられた地域に商人や職人が集うようになり、土手沿いに古着を取り扱った露天が増えていったそうです。
明治になると柳原土手は崩されてしまいましたが、露天は引き続き営業していき、大戦後には庶民の日常衣類である既製服を扱う店が増え、現在のような洋服の街となったようです。