スーツの歴史を見てみよう
仕事着やフォーマル着として、普段から当たり前のように着ているスーツ。
しかし、スーツの歴史についてはあまり知らないという方が多いのではないかと思います。
スーツはいつ頃から着られるようになって、どのような歴史をたどってきたのでしょうか?
その歴史をご紹介します。
意外と知らないスーツの歴史
【歴史1】スーツの起源っていつごろ?
スーツの起源は16世紀頃の英国であるという説が有力です。
驚くことにスーツの原型は、農民が農作業着として着ていたフロックコートに似たつくりの衣服だったと考えられています。この服装は次第に軍人や貴族、航海士などに広まり、動きやすいようにデザインが変わっていきました。
そして19世紀頃になると、モーニングコートや燕尾服が登場します。
貴族が朝に乗馬を楽しんでからそのまま宮廷に上がることを目的として、徐々にデザインが改良されていったとされています。
【歴史2】スーツが世界に広まったきっかけとは?
19世紀頃に登場したモーニングや燕尾服は、裾の長い服装です。
これは屋外で歩くことを重視した服装だったのですが、室内で座って過ごすには少し不便でした。
そして次第に、裾を切ったタキシードやジャケットのスタイルが主流になっていきます。
19世紀までは、スーツのほとんどは内側にベストを着るスリーピーススタイルが貴族のたしなみとされていました。
20世紀になると、さらに短い丈のものや、肩幅や胸幅の広いものが登場しました。
そして、アメリカでビジネスウェアとしての人気が高まると、スーツは世界中に爆発的に普及しました。
【歴史3】日本でのスーツの始まりとは?
では、日本でスーツが着られるようになったのはいつ頃なのでしょうか?
幕末に鎖国が終わり、明治維新以降に日本に入ってきた異国文化のひとつにスーツもあったのです。
明治4年に発令された勅諭によって、明治5年11月12日より礼服として洋服が採用されるようになりました。
このことを記念して、毎年11月12日は「洋服記念日」と制定されています。
明治時代には、まだまだ和装の人が多かったのですが、大正時代ごろになると男性のスーツスタイルも増えてきます。
戦前の日本では、スーツはすべてオーダーメイドで各人の体型に合わせて作られる高級品でした。
ちなみに、日本で初めてネクタイを身につけたのはジョン万次郎とされています。
【歴史4】戦後の日本のスーツ
戦後になると機械が発達し、大量生産が可能になったことから、スーツが一般人にも広く普及しました。
昭和の頃にはダブルのスーツなども人気を集めましたが、現在ではスラッとした細身のスーツが主流です。
ネクタイやポケットチーフ、カフスなどの小物も、おしゃれなものがどんどん増えてきています。
スーツは長い歴史の中で進化してきた!
長い歴史の中で少しずつ進化してきたスーツスタイル。
そんな歴史あるスーツをせっかく着るのだから、装いに気をつかって、素敵な着こなしを心がけたいものですね。