【ドーメル】3種類のスーツ生地の魅力「AMADEUS」「KRONO」「15 Point 7」
フランスに本社を構え、イギリスに生産拠点を持つドーメルは、世界最古のスーツ服地商社として知られています。170年の伝統が作り上げたエレガントな光沢に溢れる生地や、現代社会に即した実用性のあるスーツなど、数々の生地をリリースしてきました。
今回はドーメルが展開している代表的なスーツ生地を3つご紹介していきます。
【AMADEUS】ドーメルを代表する生地
ドーメルを代表する生地といえば、AMADEUS (アマデウス)がその筆頭に挙げられます。
直径約18.5micronのスーパーメリノウールのみを使用したAMADEUSの生地は、エレガントな光沢を帯びます。AMADEUSのディティールやシルエットは、伝統的な英国クラシックスタイルを基調としています。横糸の打ち込みがしっかりしているため、ストライプやチェック柄などブリティッシュスーツ作りに最適です。
実際にAMADEUSを着こなしてみると、より洗練されたドレススーツのような印象を持つ方も多いでしょう。AMADEUSはウール生地でありながら独特の光沢を持ち、それでいてシルク配合の生地のようなしつこさが無いため、ファッション感度の高いビジネスマンにも愛用されています。フランス・パリを根拠地とするドーメルの製品は、衣装としてのファッション性も損なわれていません。
英国クラシックの堅実さと、フレンチスーツのエレガンスを持ち合わせるAMADEUSは、「ドーメルらしさ」を体現した生地と言えるでしょう。
【KRONO】ビジネススーツに適したストレッチ性
KRONO (クロノ)は、腕時計や懐中時計の文字盤に小さなストップウォッチを内蔵した「クロノグラフ」をモチーフに製作された生地。
一分一秒を大切にするビジネスマンに向けたスーツ生地として開発され、生地のストレッチ性と柔らかさが特徴です。ビジネススーツの要件に足る実用性を持つ生地ですが、ドーメル本来の生地のエレガンスは損なわれていません。
また、毛羽立ちのないスムーズな肌ざわりも魅力のひとつ。
KRONOに使われる経糸(たていと)の製法には、ウール繊維を延伸して撚り合わせる段階で、毛羽を織り込む特殊な方法が用いられています。この製法は従来の毛羽を焼き切る製法に比べて糸がやせ細ってしまう心配がないので、丈夫で滑らかな糸に仕上がります。
【15 Point 7】ドレススーツに足る光沢と柔軟性を
スーツ生地や服飾分野の知識に明るい方ならば、15 Point 7(フィフティーン ポイント セブン)の名を目にしただけで、この生地が持つ質感や光沢を連想できるのではないでしょうか。
直径約15.7micronの非常に繊細なウール繊維から織りなされたこの生地は、ドーメル生地の中でも特筆すべき柔軟性と光沢を持ちます。このようなドレススーツ用途に適した生地は、原材料費や生産コストから値段が張る傾向にありますが、15 Point 7は安定した品質と手に取りやすい価格帯で安定した品質を保っています。
また非常に繊細な糸を用いているため、多彩な柄を表現できるのも特徴。英国風チェック柄やストライプだけでなく、霜降りのメランジ柄、綾織りなど、豊富な柄の製品がリリースされています。
これらの生地は同じ名前を冠していても、スーツのディティールや柄によって大きく印象が異なります。実際に店頭でテーラーと相談しながら、理想的なスーツを作り上げていってください。