オーダースーツを作る前に基本用語を押さえておこう!
スーツはさまざまなパーツで構成されており、それぞれのパーツに異なった名称がついています。
しかし、スーツの知識がなければ「どこの部分を指しているの?」と混乱してしまうことも少なくないでしょう。
本記事では、これからオーダースーツを作る方に向け「スーツの基本用語」をご紹介します。
スーツの基本用語:ジャケット編
スーツのジャケットで使う基本用語は次のとおりです。
オーダースーツを作るときやスーツを購入するときなどによく耳にする言葉ばかりですが、今いちどおさらいしてみましょう。
①カラー(上襟)
ジャケットの襟部分のうち、襟刻みで区切られた上の襟をカラーと呼んでいます。
②ラペル(下襟)
カラーに対し、下襟の部分はラペルと呼ばれます。カラーに比べて形のバリエーションが豊かなのも特徴です。
ラペルが細いとスタイリッシュでモードな雰囲気に、太いと大人っぽく貫禄のある印象のスーツになります。
③ラペルホール(襟穴、フラワーホール)
左のラペルに開いているボタンホールが「ラペルホール」です。ラペルピンを差して装飾したり、花を挿したりする際に使われます。そのため、フラワーホールという別名で呼ばれることもあります。
④襟刻み(ゴージ)
ジャケット作りに際には、上下の襟生地を縫い合わせて合体させます。このときの上下の襟の縫い目(境目)を襟刻み、またはゴージと呼んでいます。
⑤フロントダーツ
フロントダーツは、ウエストのしぼり具合を調節する部分です。前ひだとも呼ばれ、スーツのシルエットや立体感に影響する部分です。
⑥フロントカット
ジャケットの前側の裾の形を表すのが「フロントカット」です。大きく分けて丸形、角形の2種類に分類されます。
⑦サイドポケット
ポケットにもさまざまな種類があります。ブリティッシュスタイルではポケットを斜めにつける「スラントポケット」が有名です。
⑧袖付け
袖生地と肩のアームホールの接地面(袖山)を袖付けと呼びます。近年は肩が丸く落ちる「ナチュラルショルダー」のスーツが多いといわれています。
⑨本切羽(ほんせっぱ)・開き見せ
袖口についているカフスボタンは、実際に開け閉めできるものを本切羽(ほんせっぱ)、できないものを「開き見せ」と呼んでいます。
⑩ベント
ベントとは、ジャケットの後ろ身頃の裾に入った切れ目を意味します。中央に切れ目を入れるセンターベントや、両脇に入れるサイドベントが主流です。ちなみに、フォーマルスーツはノーベントで仕立てます。
スーツの基本用語:スラックス編
スラックスはジャケットに比べると基本用語の数が少ないため、この機会に覚えてみましょう。
①ウエストバンド(ウエストマン)
ウエストをぐるりと囲むベルトのようなパーツをウエストバンド、またはウエストマンと呼びます。
ベルトループが7~8本付けられているのが特徴です。
②タック(前ひだ、プリーツ)
タックとは腰回りに設ける“ひだ”のことです。向きや本数によってスラックスの印象が変わります。
③ウォッチポケット
スラックスの右側にある小さなポケットは、昔懐中時計を入れていたことから「ウォッチポケット」と呼ばれています。
④折り目(クリース)
スラックスの中央に入っている折り目をクリースと呼ぶことがあります。レッグラインやシルエットを美しく見せてくれる重要なポイントです。
スーツの各部分の名称・意味を知ると、こだわりの1着が作れる!
スーツオーダーの際に“納得のいく1着”を作るには、スーツの知識を付けることが大切です。
今回ご紹介した基本用語を押さえておけば、スーツ作りがきっと楽しくなるはず。用語を調べるなどして自分好みの仕上がりを把握したら、ぜひオーダーに活かしてみましょう!