着心地の良いスーツを作るために裏地にこだわろう!
着心地の良いスーツを作るには、裏地にもこだわりたいものです。今回の記事では裏地の役割や種類別の特徴、裏地選びのポイントについてご紹介します。オーダースーツ作りの際、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スーツの裏地にはどのような役割がある?
スーツの裏地には、以下のようにさまざまな役割があります。
滑りを良くして脱ぎ着しやすくする
滑らかな生地を裏地として付けることで、滑りが良くなり着脱がスムーズになります。また、スーツを着ているときの動きやすさにも裏地が大きく関わっています。
表地の傷みやシルエット崩れを防ぐ
体とスーツの生地との間に裏地を挟むと、表地との摩擦が減るため生地の傷みを防いでくれます。また、裏地が表地を補強し支えることで、美しいシルエットをキープする効果も。
さりげないおしゃれが楽しめる
裏地は普段表から見えませんが、スーツを脱ぎ着するときなどにチラッと見える部分でもあります。ジャケットとの組み合わせ方や柄の選び方によって、さりげないおしゃれが楽しめます。
スーツの裏地に使われる生地の種類は?
スーツの裏地に使われる生地には大きく分けて3つあります。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
合成繊維
ポリエステルなどの合成繊維は、丈夫でシワが生じにくいのが特徴です。その一方で、静電気が発生しやすく、吸湿性はいまいちというデメリットもあります。
再生繊維
スーツの裏地にはキュプラという再生繊維が使われることが多いです。これは植物性の繊維をいったん溶かし、布地に加工したもの。シルクのように滑らかな肌触りが特徴で、着心地にも優れています。
それ以外には肌触りが良く、吸湿性に優れたレーヨンもよく使われます。
天然繊維
シルクなどの天然繊維の裏地は、手触りが良く吸湿性に優れており、着心地の良さを感じられます。美しい光沢も特徴ですが、生地がデリケートなので扱いに注意が必要です。
裏地の選び方のポイントを押さえておこう
スーツの裏地を選ぶ際は、ジャケットの色柄や季節に応じたものを選びましょう。
ジャケットの色柄で選ぶ
裏地選びの際は、スーツの表地と同系色のものを選ぶとまとまりが出て落ち着いた印象に仕上がります。
既製服のほとんどはそうなっています。
しかしオーダースーツの場合は、表地と異なる色を選ぶのがおススメです。例えば表地がネイビーなら裏地には落ち着いた茶色を、グレーならピンクなどが好相性です。自分の好みでアレンジできるのはオーダーならではです。
色で冒険するのがちょっと……という方は、色自体は落ち着いたものにして、柄で遊んでみるのもおすすめです。柄物のジャケットの場合は、裏地まで柄にしてしまうと落ち着きがない印象に見えてしまいますので、バランスを見ながら決めてみましょう。
季節に応じた裏地を選ぶ
春夏の裏地はピンクやブルーなどの爽やかな色合いがおすすめです。
春用スーツは肌寒い日にも対応できるよう、総裏仕様の裏地がよいでしょう。夏用スーツの裏地は軽くて過ごしやすい半裏・背抜き仕様の裏地が最適です。
秋冬のスーツは少し渋めの色合いがしっくりきます。
トープやグレー、ブラウン、ダークグリーンなどの裏地は、秋冬のスーツとも相性が抜群です。キャメルやブラウン系のスーツには、深めのボルドーもおすすめですよ。
空気が乾燥している時期ですので、静電気が生じにくいキュプラの裏地などがよいでしょう。
スーツの「縁の下の力持ち」ともいえる裏地。裏地によって着心地が変わるのはもちろん、シルエットや耐久性、スーツの雰囲気などさまざまな部分にも影響を及ぼします。スーツを作るときには、ぜひ裏地にもこだわってみましょう。