スーツ生地の「SUPER○○’s」とは? 繊維と生地の関係
オーダースーツの生地を調べたり、選んだりしているときに「SUPER」という表記を見かけたことはありませんか? SUPERの後には「100」「120」などの数字が書かれていますが、いったいどのような意味なのでしょうか。
ここでは「SUPER○○’s」という表記の意味について解説します。
スーツ生地の「SUPER」とはどういう意味?
スーツの生地やタグなどには「SUPER120’s」という表記が書かれています。このSUPERとは、「繊維そのものの太さ」を表しているのです。
もともとSUPER表記は、「国際羊毛線維機構(IWTO)」と「ウールマークカンパニー」で定められたラベリングシステムでした。そこから近年では「ウールの品質」を表すものとして、全世界で共通利用されています。
SUPERの後の数字の意味は?
SUPERの後についている数字部分は、「毛の繊維の太さ」を表します。数字が大きくなるほど繊維が細くなっていくため、SUPER120’sとSUPER190’sでは後者のほうが線維も細い、というわけです。
SUPER表記の数字が細くなると、光沢が出やすく軽さとしなやかさのある生地に仕上がります。また、発色がよくなったり、なめらかな手触りになったりする効果も。細い繊維は希少価値があり、高級スーツにも多く用いられています。
混同しやすい! 「繊維の太さ」と「番手」の違いは?
線維の太さと聞くと「糸の太さ」を想像しがちです。しかし糸の太さは「番手」と呼ばれるものであり、SUPERとは異なる表記です。
番手とは?
番手とは、縦糸・横糸の太さを表す数字です。スーツ生地には60~80番手くらいまでの太さの糸が使われることが多いといわれています。番手もSUPERと同様に、数字が大きくなるほど細くなっていく仕組みです。
番手の数字は「一定の重さに対してどのくらい長いか」で決まります。そのため、同じ番手の糸でも素材や撚り具合、SUPERの数値によって太さや生地の印象が変わるのです。
スーツにはどのくらいのSUPER表記を選べばいい?
SUPERと番手の違いやそれぞれの意味を知ったところで、スーツ生地ではどのくらいのSUPER表記を選べばよいのでしょうか。
SUPER表記の高い生地は稀少で高級感がありますが、繊維が細い=良いもの、というわけではありません。繊維が細いということは、デリケートな生地ということでもあります。そのため、デイリーユースのスーツには耐久性が高い、SUPERの数字が低め(繊維が太め)のものが適している場合も多いのです。
デイリー使いのスーツには、SUPER100’s~130’sくらいがベストでしょう。パーティーなど特別な時に着用したいスーツであれば、それ以上のSUPER表記の生地でエレガントに決めるのも良いかもしれません。
どのSUPER表記がベストなのかはスーツの着用頻度によっても変わってくるため、オーダースーツ店で相談することをおすすめします。
繊維の太さである「SUPER」! 生地選びの参考にしてみよう
SUPER表記はウール生地にのみ適用される表記です。そのためオーダースーツ作りで生地選びをする際には目にする機会も多いでしょう。あらかじめSUPERの数字の意味を知っておけば、着用頻度に合わせた最適な生地を選びやすくなります。
SUPERと番手、そして実際に目で見て触った質感などを参考に、理想のスーツを手に入れてみてくださいね。