オーダースーツの良し悪しを見分ける3つのポイント
最終判断はオーダースーツを着る人自身!
1. ジャストフィット
良いスーツというのは自分の体にフィットするものです。
もちろん見るべき点は他にもあるのですが、自分の体にフィットすることが前提で、素材や意匠や仕立てなどはこの前提をクリアする上で気を使うのが良いでしょう。
高い生地を使っているから良い、安い生地を使っているから悪い、ということだけではありません。安い生地を使っていても、仕立てが良ければ「良いスーツ」の要件の一つクリアしているのです。
では、どういったスーツがジャストフィットなのかと言いますと、「スーツが体の動きに付いて来る」ということです。
例えば、体に合わない吊るしのスーツを来ている場合、手を動かすなどするとスーツ全体が暴れてしまったり、窮屈に感じることがあります。ジャストフィットのスーツは人の皮膚と同じように動き、邪魔をせず必要以上にオーバーには動きません。
これはスーツが安いとか高いとかではなく、オーダースーツのように自分の体に合わせて仕立てたスーツのメリットと言えます。
写真をご覧いただくと、肩が動くために、前身も動きますが、変に押しつぶされることなく、ほぼ原形を留めているのがご理解いただけると思います。
2. 芯地
スーツには芯地というものがあります。芯地とは、生地の伸び縮みによる型くずれを防ぐためのもので、芯地がしっかりしていないとスーツがくたびれたイメージになります。
逆に芯地がしっかりし過ぎると生地が芯地に負けてしまい、鎧のようなスーツになります。芯地と服地の関係は非常にデリケートです。
高い生地を使っているはずなのに価格が安いスーツなどの場合、この芯地が手を抜かれている可能
性があります。
芯地がしっかりしていないスーツは購入から徐々にスーツとしての質が低下していきますが、芯地がしっかしているスーツは徐々に良いスーツになっていくとも言えます。芯地はスーツの良し悪しを左右する大事なところです。
芯地の良し悪しを判断するためには、軽く襟などの芯をこすることが有効です。慣れないと分からないと思いますが、何度か違うスーツで試してみると芯地がしっかりしているかどうか分かるようになっていきます。分かりやすい部分としては、襟の他にも、袖口、ヨーク、パンツのウエスト部分、ジャケットのラベル部分などが挙げられます。
ただしあまり露骨に店先で触るのは嫌がられることがあるので控えるようにしてください。オーダースーツを頼む際には店先で見本などを触ってみると、少しお店の良し悪しが分かるかもしれません。安いことも重要ですが、安いだけに釣られないようにしてください。
ただ、夏物のスーツは清涼感を得るために芯地を出来る限り薄くして耐久性を低くしているものもあります。
3. 生地
これまでは安い高いといった価格だけに囚われない部分を紹介しましたが、やはりスーツの良し悪しには生地も欠かせません。
本当に良いスーツというのは仕立てが良く、型崩れせず、そして生地が良いものです。デザインも重要ではありますが時代によって変化するものですから、本質的なスーツの良し悪しとは少し違う場所にあります。
ちなみに、オーダースーツを注文される際にお客様がもっとも悩まれるのがこの生地に関する部分ではないでしょうか。 生地もただ闇雲に高いものを選べば良いというものではありません。場合によっては安い生地を使うほうが適切であることもあるでしょう。
生地にはまず素材というものがあります。ウールやコットンなどといった素材ですね。夏の暑い時期に起毛感のある高級な生地を使ったスーツを着るといったことは、「良いスーツの着かた」「間違った服地を選らんでしまった」というのでしょうね。
最終的にスーツの良し悪しを決めるのは着る人に託されています。ですからオーダースーツを購入される際には、どのようなシチュエーションなのか、どのような季節に着るのか、少し考えてみてください。そのうえで、専門家のアドバイスを求める方がよいでしょう。今は、洋服屋の格好をしていても素人に毛が生えた程度の店員しかいない店も散見されます。要注意です!