スーツの「アンボタンマナー」について
オフィシャルなシーンには欠かせないスーツは、きちんとした着こなしが特徴の洋服です。
もちろん、カジュアルなシーンでも気軽になりすぎない服装にしてくれるので、便利な存在です。
しかし、スーツにはアンボタンマナーというものが存在します。
これを知らずに、いつ何時もきっちりボタンを留めているとマナーを知らないのかな?と思われてしまう可能性があります。
そこで、スーツのボタンを外すアンボタンマナーについてご紹介します。
スーツの3つの「アンボタンマナー」
スーツの「アンボタンマナー」とは?
スーツの一番下のボタンは、留めないのが基本です。
では、なぜ使わないボタンが付けられているのでしょうか?
スーツの原型は、中世ヨーロッパにまで遡ります。
そのころ、ボタンは服を留めるものというより、装飾品として大きな役割を持っていました。
そのデザイン性重視の名残が現在の使わないボタンなのです。
ボタンホールも開いているので、使おうと思えば使うことができますが、このボタンを留めると窮屈になったりシワが入ったり、シルエットが崩れたりしてしまいます。
飾りボタンは、留めないように最初から設計されているのです。
シングルスーツのアンボタンマナー
アンボタンマナーは、シングルスーツとダブルスーツでは少し違います。
シングルスーツのボタンの数は、2つから3つが主流ですが、4つボタンのものもあります。
いずれにしても、一番下のボタンは留めないのがマナーです。
飾りなので、このボタンを留めると、野暮ったく見えたり動きにくくなったりします。
そしてスーツは、
- 立っている時はボタンを留める
- 座っている時はボタンを外す
のが、正しいマナー。
スーツは、立ち姿をスタイリッシュに見せるためにデザインされているので、立っている時はボタンを締めたほうがかっこよく見えます。
逆に座っている時は、余計なシワが入らないようにボタンを外しましょう。
そして、外したボタンを留めるタイミングは、立ち上がったとき。
ボタンを留めないまま歩き回るのはNGです。
ただし、すべて同じ生地で作られたスリーピースの場合は、ボタンを留めていなくてもマナー違反にはなりません。
ベストもスーツ同様に、一番下のボタンは飾りなので、留めないようにしましょう。
ダブルスーツのアンボタンマナー
ボタンが2列に並んでいるダブルスーツにも、アンボタンマナーがあります。
ダブルスーツは現在、4つボタンと6つボタンが主流。
どちらとも、すべてのボタンを留めるのが基本ですが、下のボタンは留めても留めなくても構いません。
また、ダブルスーツはシングルスーツと違って、座っている時もボタンは外しません。
重なり合う部分が大きいために、ダブルスーツのボタンを外したままにしておくと、だらしなく見えてしまうためです。
スーツには留めない「アンボタンマナー」もある!
日本人は、きっちりした性格をしているためか、改まった席ではスーツのボタンをすべて留めてしまう人がいます。
しかし、飾りボタンまで使ってしまうと、スーツが持つスタイリッシュさを損ねてしまうことも……。
スーツには、留めないマナーもあることを、きちんと知っておきましょう。